歯を補う治療(インプラント・入れ歯・ブリッジ)
歯がなくなってしまった方・これから歯を抜かないといけない方へ
歯を抜いてしまった直後は何となくの違和感があるものの、歯が1、2本抜けてしまっても数ヶ月経過すると人間は適応能力があるため、慣れてしまう方がほとんどです。
慣れてしまえばそれで大丈夫か?そんなことはありません。
手の指が1本なくなっても大丈夫でしょうか?
歯も同じ人体の組織の一つです。そのまま放置しつづけてしまうとすぐに問題が起きてくることではなく、ゆっくりではありますが、他の歯へはもちろんゆくゆくは日常生活に次第に悪影響を及ぼしていきます。
日常生活に起きる影響
- 噛む力が無くなり、力が入るにくくなる
- 歯並びが変わり、ものが詰まりやすくなる
- 発音がしにくくなる
- 口臭の原因になる
- 食べられるものにかぎりが出る
- 大きく口を開けて笑えなくなる
噛む能力が低下すると消化器系にダメージが蓄積され、病気になるリスクが高くなってしまい寿命が短くなるというデータまで研究されて実証されております。
こういった様々な二次的な被害を予防するために、歯がなくなってしまったらそれを補う治療というものが存在するのです。
歯がなくなったあとに選べる治療方法
歯を補う治療は基本的には3種類の方法しかありません。選べる治療プランは4つになります。当全ての治療に一長一短、メリットデメリットがあります。当院では患者様一人一人に合った治療方法を提案していきますので、自分にあった治療法を相談しながら選択していきましょう。
ブリッジ治療

抜けてしまった歯の横の歯を削り、連結されたかぶせ物で失った部位を補う治療方法
- 〇硬いものが咬める
- 〇保険の範囲内で治療できる(メタルの場合)
- ×支える歯を削らなくてはならない。負担がとても大きくなる
- ×汚れが詰まりやすく口臭の原因となる
- ×場合によっては神経治療が必要
- ×掃除が困難になる
- ×見た目が悪くなる
- ×歯の欠損数が多いとできないことがある
入れ歯治療

抜けてしまった歯茎の上に人工歯と人口の歯茎(プラスチック)をおいて、近くの歯にバネをかけて固定する治療方法。使用時には口の中に装着し、夜寝るときは外して使う。
- 〇保険の範囲内で治療できる
- 〇隣の歯をあまり削らない
- 〇治療期間が短い
- 〇何本欠損していても治療できる
- ×異物感が強い
- ×硬いものは咬みにくい
- ×バネをかける歯の寿命が短くなる
- ×見た目が悪い
- ×取り外しが不便
- ×咬むと痛みを伴う場合がある
インプラント治療

歯がなくなってしまったところの骨に人工的な歯根(インプラント体)を埋め込み、失った歯を一本まるまる再現する治療法
- 〇異物感がない
- 〇両隣在歯を削る必要がない
- 〇周りの歯のかみ合わせの負担がかからない
- 〇硬いものも咬める
- 〇見た目が美しい
- 〇周りの歯の神経を取る必要がない
- ×保険診療の適用ではないため高価
- ×期間がかかる
何もしないまま放置

ブリッジ各論
治療の流れ
- 1.両隣の歯を削る
- 2.削ったところの型をとる
- 3.被せ物をセメントでくっつけて固定する
~特徴,point~
数回の治療でしっかり噛むことのできる歯が出来上がります。違和感も比較的少ない治かぶせ物です。
ただし支えとなる歯(支台歯)をたくさん削る必要があり、負担もかかるので注意が必要になります。また真ん中のダミーの歯の下は隙間になっており、すごく汚れがたまりやすいので専用のフロスや歯間ブラシなどを使ってしっかりケアをしていきましょう。
~種類~
保険内でできる銀歯のブリッジと保険外の材料でできるブリッジがあります。
材料によって特徴が違ってくるため、支台歯の寿命にもかかわってきます。(詳しくは補綴の種類のページにて説明します)
入れ歯(各論)
治療の流れ
- 1.歯のないところの型をとる
- 2.噛み合わせの高さの型をとる
- 3.場合によって、一度歯を並べてかみ合わせの最終チェックを行う
- 4.入れ歯の完成
- 5.入れ歯の調整(*入れ歯治療は、装置の構造上一度でしっくりくるかみ合わせを作ることは困難です。ある程度の慣れと調整が必要になることがほとんどです。)
~特徴、point~
バネをかける分だけ削れば済む点、噛む力は歯茎にも負担してもらっているため(歯根膜粘膜負担)、支台歯にかかる負担はブリッジと比較すると少なくて済みます。また治療の回数も欠損した歯の量が少なければ2回ほどで完成します。
夜中は支えとなっている歯茎を休ませるために入れ歯を外して洗浄液につけておいてください。バネのみにゆだねて固定しているためどうしても微細な揺れが出てしまいます。慣れが必要となりますので何度か頑張って調整してかめるようにしていきましょう!
~種類~
-
保険内のプラスチックの入れ歯
-
マグネットデンチャー
入れ歯に磁石を入れ込んで、磁石の力で入れ歯をより安定させる入れ歯になります。
*歯根だけでも健康な歯が残っている場合になります。
-
金属床義歯
プラスチックの入れ歯よりも1/3以下で作ることができるため、軽くて違和感が出にくい。また金属は熱を伝えるので食事がプラスチックと比較するとおいしく食べられます。
-
ノンクラスプデンチャー(審美義歯)
特殊な素材を使っており、金属を使わないでつくることができるため入れ歯が入っていると気づかれにくく自然な歯のように見えます。また弾性がある材料を使うため付けごこちが良く違和感も少ないです。
ただし修理や調整が難しいので間違った装着法や管理をしないように注意しましょう。
*残りの歯の状態により作れない可能性もあります。